甘い言葉
こんにちは。
冬の様な空気というか、体の底から冷える気温に体がしんどい方も多いのではないでしょうか。
体調には十分気をつけてください。
先日、MSAスクールで活躍している選手を僕が指導に関わらせていただいています大学サッカー部トレーニングに参加してもらいました。
現在も日本サッカー協会が展開する選抜プログラムや地域のトレセンなどにも召集されているような実力のある小学生です。
しかし、僕自身も今まで国内、国外のジュニア選手を沢山見てきましたが、小学生までで消えていく選手を沢山見てきました。
小学校の時はスーパーな選手でも中学カテゴリーに上がった瞬間から今までの貯えだけではプレーが追い付かなくなる選手が多いからです。
またそういった『上手い選手』は周りの大人が持ち上げすぎてしまう傾向があり、子供の頃から勘違いをしてしまう選手がいます。
海外ではプロ、アマ、大人、子ども、関係なく素晴らしいプレーをしたら褒め称えられ、悪いプレーがあったら本当に厳しい声をかけられています。
だからこそ、気持ちの強い選手が育っていきます。
日本の指導者は上手い選手を可愛がり、ミスがあっても注意することなく、次。次、頑張ればいいよ。気にするな。
などで済ませてしまう傾向があります。
僕自身も、研究がてら日本の様々な地域のサッカー大会などをスカウティングにいきながらチームの中心選手に指導者がどの様な声かけをしているのかに注目しながら耳を傾けたりしていますが、その試合で中心選手と同じようなクオリティのプレーやミスを犯した選手がいた場合も中心選手には優しく、もう一名の選手にはかなり厳しい声をかける指導者が多かったです。
サッカーであり、組織で行うスポーツ。
一人でも欠けてはいけない中で同じミスをしている選手でも中心選手かそうじゃないかだけで指導者のコメントが変わる。
もちろん、その選手のポジションだったりシステムによっては声がけが変わることはあり得る所ですが、どうも日本の指導者はサッカーが上手な選手に嫌われたくない傾向があるように様々な指導者を見ていて感じました。
しかし、果たしてそれでいいのか?
子ども達は大人が操るロボットではない。
大人からしたらその時の結果や試合が大事だから結果にこだわる。その為に中心選手の様子をうかがいながら試合をして、中心選手がミスをしても優しく言葉を与えモチベーションを保たせてプレーをさせる。
これは指導者のみならず周りの保護者の方などにも言えることです。
しかし、育成年代の選手は『今』で全てが決まる訳じゃない。
小学校、中学校、高校、そしてプロや大学など先が長い。
話がそれましたが今、同世代選手の中では抜群に上手くて敵無しだとしても、カテゴリーが変わった途端に今までのサッカーが通用しなくなるケースはよくあります。
カテゴリーが上がれば上がるほどスキルだけではなく、戦術や相手の分析など頭も使い賢くサッカーをしなくてはいけなくなり、選手は無意識に様々な事に対応していかなきゃいけなくなります。
今が凄く、周りの大人にチヤホヤされ、またメディアなどで取り上げていただける様な選手ほど可愛く嫌われたくない指導者の気持ちもよくわかります。
しかし、その甘やかす言葉や環境が選手を勘違いさせダメにする場合が非常に多い。
そういった現場に関わる指導者や周りの大人は良い能力を持った選手ほど天狗になりやすい環境が常につきまとうので、その鼻をへし折る”嫌われ役”になれるかどうかが大事です。
今回、小学生と大学生という両極端なカテゴリーを体験させてみて様々な事が見えたと思います。
大学生相手でも通用しちゃった部分、大学生相手に全く歯がたたなかった部分。
同世代とのプレーでは絶対に気付くことが出来なかったと思います。
僕自身、期待をしている選手だからこそ、なんとか自分の力で気づいてほしいから今回この様な時間を作りました。
中学に上がる前に様々な事を考えて、中学校でも自分らしさを出し、輝ける選手になってほしいと思います。