頭
時代と共に様々な事が変化していく。
サッカー界ももちろん、そう。
俺が子どもの頃と、今の子ども達はやっぱり違う。
選手最近、自分のアカデミーの選手達も含め、様々なカテゴリーの選手やナショナルトレセンなど代表に関わる世代の選手達を見るようになって感じるのが、
「アドリブの利く選手」が昔に比べて少なくなくなっていていること。
形だったり、パターンだったり、普段型にはめてやってきているものに対しては、強い。
でも、そこに当てはまらないものに直面出した時に、自分達の判断で対応が出来ず、リズムを崩す選手をよく見る。
自分のリズムでやれてる時はバツグンに上手なんだけどなぁ〜
そう、思うシーンが多々ある。
監督やコーチに言われる事を従順に従い、そつなくこなすのが上手い日本人。
逆にいうと、自分の意見が言えず、言われたことしか出来ないのも日本人。
僕たちが一緒に仕事をする外国人スタッフなども、皆、口を揃えてここの部分は指摘してくる。
特にサッカーの様な組織で、一人一人のジョブが決まっている競技において、この部分はとても大きな意味を持つ。
日本のサッカースクールとかも、昔からパターンの決まったトレーニングが多い事も理由の一つだと思う。
プレーの中にパターンの決まったトレーニングが多く、形を覚える反復トレーニングは日本では人気がある。後は、真似事ね。
FCバルセロナなど、ビッグクラブが行なっているトレーニングをやったから、子ども達が上手になるわけじゃない。
これもパターン(形)だよね。
結局、トレーニングの内容に自らの力で判断をする機会があまりにも少ないから、子ども達の頭の中も育たない。
昔、高校時代に清水商業(現桜ヶ丘)の大瀧先生に
「おつむの弱い子はサッカー出来ないよ〜」
若かりし、当時はこのボスの言葉にイラっとした時もあったが、この意味が後に、指導者になってから身に染みる様に分かった。
サッカーは頭でやるスポーツだと。
瞬間の判断(頭)、瞬時に動く身体(フィジカル)が伴わないと今の時代、サッカー選手としては生き残れない。
そして小学生・中学生年代の選手は身体のサイズにばらつきがある。
同じ学年でも大きい選手は身体が大きいし、小さい選手はすごく小さかったりする。
アカデミーの中でも、やっぱり身体が大きい選手や足が速い選手の方が活躍するシーンをよく目にする。周りから「すげー」、「強ぇー」そう言われて気分良くしている選手の姿を良く見かける。
一件、そういった選手は有利に思えるが、これが通用するのも中学生までだろう。
後々、必ず苦労する。
逆に小さい選手の方が、世代の低いうまたからそういった大きな相手に普通に戦ってもやられちゃうから、工夫をしたり、自分なりに対策をねる。
身体が強い選手やでかい選手、速い選手は何も考えなくてもこの年代なら身体の力でやれちゃう事が多く、頭を使わなくても勝ててしまう。
要は頭の中が育たないってこと。
だから、小・中学生世代では、有名だった選手で、高校になってから、戦術や組織でのサッカーに通用しなくなり、挫折をして消えていった選手を沢山知ってるし、見てきた。
みんな、成長曲線にばらつきはある。
早熟、晩熟にしろ、身体は時間と共に育っていく。
小学校や中学校の年代ほど、身体の大きい、小さいにこだわらず、頭でサッカーを出来る選手が増える事が大事。これはサッカーの事だけに限らず、この年代での経験は後々に大きな影響力がある。
様々な神経が発達する時期だからね。
話はずれたが、サッカーは判断が常に伴い、常に行われる競技。
試合中、2秒後にはボールは全く違う場所にある。
常に周りの状況を見て、今の状況を認識。
そこから判断して、動き出して、また周りを見て、、、
その判断の繰り返し。
その判断や決断を出来る為に、必要となるトレーニングを選手達は行わなくてはいけないし、カテゴリーが上がるにつれて、頭と身体をリンクさせていかなくてはいけない。
指導者はパターンなどの形にとらわれる事なく、育成年代の選手達への伝えていき方を今の時代に合った方法で、今の時代に順応出来る選手を生み出す為に指導していく必要がある。