中途半端

2019.04.26

長かった様で、短かったスペイン遠征が終わりました。

今年も世界の壁は高かった。

 

いや、高かったってよりも去年よりも、世界との距離が遠くなった気がした。

 

決して、選手達のレベルが低かったわけではない。

また一つ、僕自身、世界との大きな差を感じたスペイン遠征となった。

今回も、世界中から集まる沢山のクラブチーム関係者と出会うことが出来ました。

 

また、様々なカテゴリーの試合はもちろん、ウォーミングアップから、どんなトレーニングをしているのかを注目して見るようにしていました。

 

毎回の様に海外に行った後には、同じような記事を書いている気がするけど、あのFCバルセロナやアトレティコ・マドリー、レアルマドリードですら、何か特別なトレーニングって無いんですよね。

 

よく、YouTubeなどで、海外の有名クラブチームが行なっているトレーニングを見て、真似て自分のチームでやったりする指導者などもいますが、そんな魔法のようなトレーニングははっきり言って無いです。

 

もちろん、僕も海外で行われているトレーニングは参考にしています。

 

しかし、そのトレーニングの形が面白いのでは無く、そのセッションの中で選手達に何を感じ取らせようとしてるのかの意図が明確な物が多いからです。

また、それに気づけない、感じ取れない選手へのアプローチも海外指導者の方が表現が豊かで、また日本人とはまた違った観点から選手を指摘する辺りがすごく参考になる。

僕が十代の頃から、海外指導者とのお仕事する機会も多く、彼らの指導はとても勉強になります。

そして、今回のスペイン遠征で僕が、一番感じたのは、ボールの「止める」、「蹴る」の質の高さ。

ここ最近はドリブル専門やセレクションに合格する為のスクール?みたいなジャパンサッカービジネスが流行ってきて、その話を海外指導者達としていたら、「積極的にサッカーの本質から離れてるね」と海外の方々が笑っておりました笑

 

あまり、書きすぎると色々、支障が出てしまう方もいるかと思うので、僕の中にしまっておきますが、サッカーにおいて本当にやらなきゃいけないことがあるのにね。との事です。

 

日本ではサッカーの人口も増えてきて、企業からしたら、サッカー自体が良いビジネスになる様になってきました。

もちろん、ビジネスとしてお金が回る様になれば、また良いものを企業は選手に提供できる様になるので大事ですが、その中に日本人特有の「評価」”される為”をくすぐるビジネススクールが日本には増えてきました。

 

様々な選択肢が増えてきている事はすごく良いことだとは思います。

 

でも、考えてみてくださいね。

 

やるの「サッカー」ですよ?

 

もう、分かる人にはわかりますよね。

もちろん、賛否両論はあります。

僕たちが行なっている海外事業などでも、「何が海外だ」と、いちゃもんつける方だって少なくはありません。

 

別にそれはそれで良いと思います。

 

各ご家庭や、各選手達は感性や感覚は違います。

 

また、選手の目標や夢も様々。

 

様々な意見が出るのは当然の事であり、サッカープレーヤーを全員を惹きつける事は不可能。

 

でも、そのばらつきが選手達の個性になるし、何が良い、何が悪いではない。

 

大切なのは様々なチャンスの形があること。

 

僕たちは、子ども達がチャンスを掴める場を準備したいと思ってる。

久保建英や中井卓大だって、日本で行われた某海外クラブのジャパンキャンプにて、アレックスやホセ達の目に止まり、第1、第2、第3とチャンスを一個一個、自分の物にしてステップアップしていった。

チャンスがあっても、チャレンジしなければ無いのと同じ。

 

宝くじと同じで、買わなくても生活に支障は無いけど、当たることも無い。

 

宝くじを買った人だけに、当たるかもしれない権利(チャンス)がある。

 

言い方は汚いかもしれないが、今はサッカーも宝くじ同様、チャンスをお金で買える時代なのかもしれない。

 

もちろん、いくらチャンスがあっても、それを物に出来るかはその選手自身だし、運やタイミングもあるし、保護者を含めた、周りのサポートも不可欠。

建英やピピだって、今だからこそ何かと優遇してもらえたりするが、一番最初はやはり親がお金を出してイベントへ参加させていた。

今回、僕が何を言いたいかというと、チャンスは今の日本には様々な形で転がっている。

しかし、チャンスを掴むためにはお金も正直、必要になる。そこに参加できない人は嫉妬や妬みなどを、呟くことも多々あるのかもしれないが、チャンスは少なからず存在する。

 

しかし、様々な選択肢が増えて来てる良い部分とは引き換えに、本来の「サッカー」の本質が落ちている選手が多く、世界基準で見たら割と深刻で、尚且つかなりもったいないということ。

 

日本に居たら、周りも落ちてるから気づかないけど、海外などでやるとその差は歴然。

 

サッカーはやっぱり、サッカーでしか強化できない。

 

今はサッカー選手?パフォーマー?ダンサー?どこ向かうの??みたいな、中途半端なジュニア選手が日本全国に多い。

 

チャンスが多い反面、一番大事なサッカーの部分が選手自身、疎かになって来てるのを、もうそろそろ気づいた方がいい。

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PROFILE

平川正城(Masaki Hirakawa)

<選手歴>
横浜すみれSC→コミュニティFC→清水商業高校→湘南ベルマーレU-18→湘南ベルマーレ(J2)→ザスパ草津(現J2ザスパクサツ群馬)→Y.S横浜 (★神奈川県国体代表選手)→S.C.相模原 (★神奈川県国体代表選手)→東京23FC (★神奈川県国体代表選手)→YOKOHAMA FIFTY CLUB

<指導歴>
Y.S.C.C.スクール・ユース・コスモスGKコーチ→FCバルセロナキッズキャンプコーチ→キリンビバレッジサッカーフィールドコーチ→SCHサッカースクールコーチ→ファンルーツアカデミーコーチ→Jフロンテッジ&東急レイエスコーチ→横浜すみれSCテクニカルアドバイザー・GKコーチ→ボカ・ジュニアーズジャパンスクールコーチ→SALLERゴールキーパースクール、SALLERストライカースクール(現MSAゴールキーパースクール、MSAサッカースクール)→NIKEエリートトレーニング・NIKE FC ・NIKE MOST WANTEDスカウトマン兼任コーチ→帝京平成大学女子サッカー部ゴールキーパーコーチ

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