信頼関係
こっちに来てから色んな方々とお話をさせてもらっています。
今日はその中で、日本で起こっている「パワハラ」について色々、話をしてきました。
スペインの方々からしたら今日本でそんな事が問題になっているの?!みたいな反応でした。
そして、日本人は敏感すぎると。
もちろん、罵倒をしたり、物に当たったりと教育上、良いことではない。
最低限のルールを守り、それを乱すものがいた場合はやはり強く言わなければいけないし、言わなければその選手の為にならないと。
話は変わり、今日はバレンシア市内を自転車を借り、周ってきました。
約3クラブのトレーニングを見る事が出来ました。
自転車で走っていると、この様な市が運営している立派なグランドが点々とあり、全て地元クラブに権利を貸して、町クラブの持ち物になっています。
日本じゃ考えられないよね。
今日も各グランドで夕方からトレーニングをやっていました。
スペインの指導者の身振り手ぶりの指導。
どのクラブも共通して指導者が熱い。一人ひとりに声をかけて細かく指導してるのが印象的でした。
バレンシアの町クラブだけど、選手のみんなもかなりレベルが高い。さすがサッカーの国、スペインでありバレンシアだなと。
冒頭にあった「パワハラ」の件。
バレンシアのコーチ達の口調もいくつか強かった。
でも、選手と指導者の間での信頼関係?みたいのはこの短時間でも感じられた。
なんていうか、日本だと選手側はコーチに ”怒られる” =やらされてるから選手はそれを不快に感じる。
バレンシアの子っちらは、見ていても選手自らがちゃんと進んでサッカーをやっている(学びに来てる)感じがして、コーチ達が話す言葉をちゃんと自分の為だと聞いている様な姿勢が見れた。
自分がサッカーを上手くなる為に、コーチがサッカーを教えてくれている。スタンスと
コーチに怒られたくないから、自分はサッカーを頑張っている。
では、同じ指導者からの言葉を受けたとしても、選手側の受け取り方が180度、変わってくる。
選手と指導者の関係性から信頼関係に関して、日本とは大きな差を感じる。
日本ではその ”怒られる” 事を避ける選手、指導者は、問題に発展するかもしれないから ”怒れない”状況が子ども達のメンタル(精神面)の低下を生み出している。
非常に気持ちの弱い選手が日本全国に増えました。
周りの指導者を見ていても世間で「パワハラ」というワードにとても敏感となり、保護者の方々や周りの関わる方々の顔色を伺いながら指導の現場に立つ方も増えてきたように感じます。
これは僕たち、スポーツ教育だけではなく、学校などの教員もそう。その辺はやっぱり怖いそうです。
①言わなきゃいけない立場だから伝える
↓ ↓ ↓
②1回の指摘で聞ける子、聞けない子がいる
↓ ↓ ↓
③最初よりも強めに伝える
↓ ↓ ↓
④ここで伝わってくれれば良い
これ以降になると、どうしてもその子には普通に伝えても伝わらない事が多い。その為に手が出たり、暴言に移ってしまうのは大きな間違いだが、これ以上を伝えるとなると、声のボリュームや言葉の質や選び方も少し刺激的なものに変化をしてしまうのも分かる。
しかし、このボーダーラインが今の日本は低すぎて正直、「教育」とは程遠い「注意」しか出来ないレベル。
サッカーでいうと、レフリーは退場させたら周りから文句言われるから、本来のルールはイエローカード2枚で退場だけど、ファールが起こっても注意をしつづけてイエローカードを出し続けるしか出来ないみたいな。笑
選手がイエローカードを5枚もらおうが、10枚貰おうがレフリーは言い続けるしか出来ない。選手側も別にイエローカードを何枚もらっても、あのレフリーは退場させないの分かってるからまた同じファールを繰り返す。
お互いにとって良くない状況。分かりにくい?笑
上にも書いたけど、バレンシアに来て、そもそも受け皿となる選手側の受け取り体制が整っている事、そこが前提にあり、指導者の熱い指導。
ここがあるから指導者は選手を本気で良くする為に、選手には伝える。仮に口調が強くなっても。
選手は強くなりたいから、上手くなりたいからここに来てるんだ、この指導者の元に学びに来てるんだ。
このバランスがちゃんと取れているから、日本みたいに問題にならず、指導者も育つし、選手も育っていくのだと思う。
本当の意味の「愛のある指導」を見れた気がします。