成長
スペインを出ました。
僕達が自分の会社で海外事業部を立ち上げ、6年目。
過去の6年間の海外へ渡った中で、今回が一番内容が濃かったかもしれない。
もちろん、様々なサッカーを見て、感じて学べたことに加え、今までに無いぐらいのプライベートな時間を過ごすことが出来た。
バカンスかよ!と思われてしまうかもしれないが、街のサイクリングショップにいき、自転車を借りて何年ぶりかにチャリンコで、約3時間ぐらいかな?あてもなく街を一人で爆走。
その中で出てくるサッカー場を見つけては、チャリを止めてぼーっと子ども達が楽しそうにボールを蹴ってる姿を見ては、またチャリを走らせ。
途中から持っていたWi-Fiの電池が切れ、頼りにしていたスマホの地図アプリのGPSも起動しなくなり、本当の意味で見知らぬエリアで一人。
昔から僕はピンチになると興奮する性格だった。
だから、ポジションもゴールキーパーだったんだろな。
僕だって対して言葉が喋れるわけじゃない。いつも一緒の通訳も居ない。
さぁ、この状況をどう楽しむか。
どうやって、何時間も走ってきた場所を地図もなしにホテルまで戻るか。
チャリはお店に20:00までに返さないといけない笑
誰も助けてはくれない。この自分自身が動かなくては変わらない状況を僕は楽しんでいた。
短い時間だったがすごく自分の価値観を変えたスペイン遠征になったと感じている。
人を成長させる環境は正直、身の回りに沢山ある。
サッカーもそう。
環境について色々、言ってる大人が多い。
グランドが土だ、芝だ、
小さなフットサルコートだ、大きいサッカー場だ
コーチがボランティアコーチだ、プロコーチだなんだと。
様々な環境があるが、見方を変えることが出来たら全てが成長のチャンスになる。
一つの方向からしか見えないのは、それが「用意された」環境だから。
ここでサッカーしてください。
ここがホテルの入り口です。
ここで食事をしてください。
その一言で答えが見つかり、「ここで〇〇をすれば良いんだな」で完了する。
でも、これを知らなかったら、色々な角度から答えを探す努力をするんだよね。
今回、たまたま行ったグランドの指導者と話せた時に、日本の様々な話を伝えた最後にスペインの指導者がこう言ってた。
「日本は恵まれているんだと思う。ただ恵まれ過ぎていて、逆に育成に苦戦するんだろうね」と。
今回の遠征で、僕は自分のアカデミーを始め、指導に関わる選手達に多くのことを伝えていける自信が出来た。
これは僕の「価値」になるだろう。
でも、「価値」は他人の評価でもある。
僕が僕の中に閉まっておいたら、そこに「価値」は無くなってしまう。
僕達を始め、MSAのスタッフは素晴らしいスタッフばかりだ。
僕達が感じた事や経験を子ども達に伝えていく事が僕達の仕事。
そして一つだけここで伝えたい。
今ある日本の環境は決して、悪い環境なんじゃない。
グランドがある、ボールがある、精一杯関わってくれるボランティアコーチやサポートしてくださる保護者の方々。そして一緒にプレーしてくれる仲間がいる。
その環境を準備出来ない国だって、世界には沢山あるってこと。
だから環境のせいにしたり、環境という言葉に逃げないでほしい。
今いる環境をもっと別の角度から見てみよう。
その時に自分にプラスになることや、今まで気づけなかった有難い事などに気づけるのかもしれない。
それに気づけた時に、今の環境でも大きな成長があるはず。