スポーツから学ぶ
日本全国の子供達と出会う事が出来るきっかけが、僕には “サッカー ”である。
少しずつですが、また全国から自分自身の夢や可能性へ挑戦するために、僕達の所に来てくれる選手が増えてきました。
日本人選手の成長の妨げになっているであろう、上下関係制度や、大人のエゴ問題。
子ども達が必死に頑張っていても、なかなか結果に伴わない事が多い日本の教育システム。
海外に比べて、非常に人が育ちにくい環境。
そして、一歩家を出れば、何でも揃う、必要な場所がある恵まれた環境。貪欲という言葉を引き出すには難しい、子ども達が欲を出さなくても様々なものが簡単に与えられてしまう便利な世の中。
日本の “ ある意味 ” 恵まれすぎている環境によって、近年の子ども達は特徴(個性)の薄い選手を多く目にします。
サッカーは上手なんですよ。リフティングが何百回出来るとか、ドリブルがやたらキュンキュンでキレがすげー奴とか。
でも、、、
今の時代、どこにでもいる選手なんですよね。
みんな、特徴が一緒。
僕達はサッカーを通じて、ロボット人間を作りたいわけじゃない。でも、今の日本の様々な仕組みは高いクオリティで言われたこと(学んだこと)をきっちり出来る子は確かに作れるけど、それ以上は残念ながら求めづらい子が増えてきた。
こちらが求めてしまうことで、その子にとって大きなストレスになってしまうから。
話は変わるが、芸能関係の知人などがよく、
「街中で見た瞬間にこの子だ!!」
と、オーラを感じてスカウトをしたとか、アーティストの卵の声を聞いた時に
「聞き惚れてしまった。声を聞いた瞬間に電流が走った」
などを聞くことがあるけど、サッカーの子ども達を見た時にも同じような感覚に出会うことがある。
サッカーが始まった瞬間にスイッチが入り、性格が変わってしまったかの様に変化をして、ボールの触り方、見ている場所、、、
数回、ボールを扱うシーンを見たら、
「この子、やばいな!たぶん化ける」
そう感じる事があり、そういう選手は僕からも積極的にコミュニケーションを取る様にしている。
でも、最初の話に戻るけど、今の日本の育成環境は正直、ぬるま湯の世界。
熱いお湯を少し注いだぐらいじゃ、湯船のお湯は変わらない。
せっかくのポテンシャルもぬるま湯に染まってしまったら宝の持ち腐れで終わってしまう選手も少なくはない。
であれば、そもそも熱い、熱いお湯が集まった湯船を探す方がよっぽど選手の成長の為になる。
でも、それに気付き、サポートしてくれる指導者も今はまだまだ少ない。
それは今の日本のスポーツビジネス体制にも問題がある。
しかし、人生は一度きり。
今日という日はもう2度と来ない。そして時間と共に子ども達はどんどん大きくなる。
今の大人の何やかんやに付き合っていたらきっと、
「あの時に〇〇しておけば良かった」
と、いった後悔をする事になるだろう。
だからこそ、早くにマインドを変える必要がある。
JAPANマインドじゃなく、WORLDマインドとしてね。
その為にはやはり、外(世界)を見るべきだ。
海外に行ったからといって、その期間でサッカーが上手くなることは正直無い。サッカーが上手になっているのではなくて、向こうでの様々な体験がマインドを変え、生活やプレーが大きく変わる。
もちろん、向こうにいる時間が長ければ長いほど、考える時間が多くなるので、大きな成長に繋がると思っている。
その結果、そう言った経験から様々な価値観が変わり、サッカーにも反映されていく。
選択肢の沢山ある日本の環境も良い。
しかし、選択肢があり過ぎても迷ってしまうだけ。
でも、環境がどーであれ、その子の意識が高く、周りに流されないのであれば、どんな環境でも大きく成長は出来る。
しかし、その高い意識を持ち続ける事が、まじで難しい。
だからこそ、意識の高い仲間達に混ざりプレーをすることで、様々なものに対して意識高く取り組む事がスタンダードになり、その子の基準を高くすることが出来ると思ってる。
そう言った子ども達に手を差し伸べるのが、僕の仕事だと思ってる。僕はサッカーを教えるコーチではない。
もっと大切な事がサッカーを始め、スポーツから学ぶことが出来る。
そのきっかけ作りをこれからもやっていきたい。