悪魔の住む大会
ハングリー精神ということば。
人間は欲を求め、追い続けるものであり、その目標に向かう際にはすごいパワーを引き出せる。
2021年4月から品川CCというクラブとご縁があり、ゴールキーパーコーチとして11月末までの契約で活動をさせていただきました。
この契約期間は僕の事業の関係もあり、わがままを代表の吉田さんに聞いていただき、調整が可能な土日のトレーニングを主に指導に携わらせていただきました。
品川CCは、素晴らしいクラブ理念と、代表の吉田さんのサッカー熱が眩しい素晴らしいクラブ。だからこそ、多くのスポンサー企業や素晴らしい選手、スタッフが集まり、最高のチームに2021年シーズンも仕上がっていました。
そして、11月にこの大会のために準備をしてきたと言っても過言ではない「関東社会人サッカー大会」という大きな大会に神奈川県代表として品川CCが出場してきました。
この大会は負けたら終わりのトーナメントであり、僕自身も現役時代に数回出場したことがある大会。
この大会には魔物が住んでいる。
当時、アマラオ(現図南SC)が、東京23FCの監督時代に僕らに放った言葉があったように、僕らも何度かクラブの前評判通りには行かず敗退を喫し、鼻をへし折られた思い出深い大会。
ここを突破することを目標に一年間、準備してきていたので、敗退が決まった時に選手はほぼ全員泣き崩れ、スタッフ、スポンサー、そしてはるばる試合会場に横断幕を抱え、応援してくださったサポーターの方々に申し訳ない気持ちで押しつぶされそうな感情があったのを今でも覚えています。
そして、今回の品川CCは4年連続でこの関東社会人大会へ挑戦となりました。
周りの多くのサッカー関係者からも、「今年の品川CCなら行ってくれる(昇格)でしょう」と、背中を押していただき、群馬県へ乗り込みました。
やるべきことは全てやったのだと思います。
特にクラブとしては、関東社会人サッカー大会出場クラブの中では、全ての面で一番、環境面が整備されていました。吉田代表が多くの企業様に頭を下げてスポンサーを獲得してきてくださり、多くのマネージャーやトレーナー達が裏方に周り、しっかりと動いてくれていたおかげで、最高の状態で大会へ挑む事が出来たと思っています。
しかし、、
結果は初戦敗退。
詳細等は公式サイト等で見てみてください。
茨城県を代表していた相手チームも素晴らしいチームでした。
昨日に行われた大会2戦目には0対2でのビハインドを試合終了間際にひっくり返し、3対2で逆転勝利をしたそうです。
各地域の代表チームだからこそ、そのチームならではの背負っているもの、そこに付随する覚悟は様々。
でも、あの大会に参加する各県の強豪達はサッカーの実力で言ったら正直、どのクラブも一緒。
あの大会を突破出来るチームは、サッカーが強いチームではなくて、 “ 覚悟 ” が、出来てるチームが勝ち、昇格していくのかと思います。
今回の品川CCには何か “ 覚悟 ” が足りなかったのかなと感じました。
負けた理由や誰のせいという犯人探しも無意味。
負けたのはクラブだから、誰が悪いわけでない。
ただ、各々が今一度、考えなくてはいけないと思う。
もちろん僕を含めたクラブスタッフ、選手、スポンサー、そして応援してくださるサポーターの皆さんの様々な思いがあり、この品川CCというクラブに今という時に関わっている。
また、来年もこの舞台に帰ってこよう。
選手達がこの言葉を口にしていました。しかし、厳しい事を言えば、今のマインドが、スタッフも選手も変わらなければ、来年もまた同じことを繰り返し、また多くの方々に悲しい思いをさせて、連れ回す事になる。
サッカーが下手くそで、試合に勝てないなら更に練習しろとしか言えない。
でも、あれだけの実力のある選手達を筆頭に熱いスタッフが集まり、毎年の一番大事な試合に勝利をする事が出来ない。
あんなに様々なポテンシャルの高い品川CCが毎年、一番乗り越えたい壁を乗り越えられないのが僕はすごい悔しかった。
負けた後、僕自身、悔しい気持ち、まじで泣きそうで震える声を押し殺して、ホテルで全員の前で話をさせてもらった事がほんと全て。
僕も数年前までは現役でプレーしていて、地域リーグ時代は、今回の同じ大会を過去に経験した選手であり、今はサポートするスタッフ側。
両方の気持ちがわかる面と正直、他のスタッフとは異なり、土日だけのサポートスタッフだったからだこそ今回、クラブに帯同して宿泊や同じ飯を食べたりしてもチームを俯瞰して見れた分、多くの発見があり、感じたことが多くあった。
選手達が、このままでいいなら、それはいいんだ思う。
選手達は錯覚をして、気持ちよくプレーが出来る素晴らしい環境があって、周りから「品川CCでプレーしてるの?すげーじゃん」って、ちやほやされて気持ちいい思いをして満足だろう。
でも、このクラブはもう止まることは出来ない。
そして、この品川CCは、サッカー界のスタンダードを変える挑戦をしている。
ここのベクトルが合わない限りは、品川CCは関東社会人大会という、悪魔の住む大会を乗り越える事は出来ないと思う。
サッカー出来るグランドがある、お金を頂いてサッカーをしている、備品はマネージャー達が用意してくれる、チームの宣伝は広報がやってくれる、、、
周りを見てみなよ。そんなチーム、プロクラブ以外はみんな選手達が自分達でやってるよ。
環境を変えたいなら口じゃなくて、行動で示してほしい。
これ以上ないぐらい選手がやって、これ以上は自分達には無理だから、マネージャーよ、コーチングスタッフよ、広報よ、そして社長!!環境を良くしてください。助けてください。
そう発言を出来るぐらい、覚悟決めてプレーしてた選手が果たして何人品川CCにいただろうか。
僕がこのクラブへ関わっている期間は実際短いけど、吉田代表のサッカー界への想いや、松々枝監督が、このクラブを変えると覚悟を決めたクラブだからこそ、僕も本気で関わりたいと思ったし、やるからには今いる選手達、関わる全ての人が
「品川CCってチームに関わったことが人生の中でも大きかった」
と、言わせるぐらいの影響力を与えるクラブにしたいと本気で思ってる。
でも、スタッフはサポートすることしか出来ない。サポーターは声援を送り、背中を押すことしか出来ない。
戦うのは選手だから。
当たり前だと思っていることが当たり前ではなく、多くのことに感謝が出来て、多くの関わる方々の事が頭をよぎれば、選手達はどんなに辛くても苦しくても、もう一歩、足が出るかもしれないし、もっと身体をはれるかもしれない。
このクラブは恵まれたことにすごい多くの方々が注目してくれている。変わろうと思えばどんどん変わるチャンスがたくさんある。
そして与えられる環境ほど、そこに有り難みが薄れ、甘えてしまうのは僕自身も選手時代に経験がある。
でも、それは選手達の成長のためにはならないし結果、クラブの成長には繋がらない。
選手達は自分達の力で、覚悟を決めた発言や要望を行いクラブを動かして欲しいし、その様な選手が一人でも多く現れた時に、このクラブは次のステージへ進んでいくと信じてる。