ゴールキーパー像

なでしこリーグのスフィーダ世田谷にゲストコーチとして、ゴールキーパー選手に指導させていただきました。

明日は宮城県石巻市での皇后杯前日という大事な時期に、この様なオファーをいただき嬉しかったです。

今年までまき（槙野智章さん）が監督に就任した、神奈川県社会人チームの品川CCでゴールキーパーコーチに就任していましたが、女子サッカーは帝京平成大学以来。

久々の女子トップを見て感じたのはやはり、女子サッカー界はまだまだ伸び代が半端ないなって。

荒削りな選手が多く、少しヒントやきっかけ、そして環境が変わるだけで、大きく変化を手に入れられるんだろなって選手がたくさんいました。それはキーパーだけではなく、フィールドの選手もそう。

普段、自分のアカデミーで、the育成年代を見ているからこそ、様々なこども達の成長過程を何年も見てきている中で、今回のスフィーダ世田谷の選手達も何か新しいきっかけや刺激があるだけで、サッカーの観点に深みが出て、より濃いパフォーマンスに繋がるだろうなって感じました。逆も然りで、同じ空間が長年、続くとマンネリ化し、刺激を受ける物がなくなったり、目標物を見失う事により消化不良を起こし、現状維持、もしくはパフォーマンスの衰退に進んでしまう。

スフィーダの川邊GMが「新しい代謝をクラブに起こしたい」と言っていた意味がすごく理解できました。

キーパー陣も本当に良い子で真面目で、能力が高い。

日本サッカーは男子も女子も身長が大きな判断材料になることが多い。ヨーロッパみたく、そもそもサイズがデカく、尚且つ骨格の作りが太い選手が育つ環境なら良いが、アジアのキーパー人はやはり違う。

日本や韓国もそうだけど、身長が大きいことは当たり前ではなく、むしろ小柄な選手が多い。

世界基準に合わせる作業として、ゴールキーパー達の身長に規準を作って、何センチ以上の選手しか育成しませんよ。と、してしまっている今の日本サッカーは僕は大きな損失をしていると感じてる。

今は確かにＪリーグも大きい選手が増えてきたが、僕がＪにいた時だったり、その前もよしかつさん（川口能活さん）など、決して大きいとは言われていないゴールキーパー達がちゃんとプロの世界や国際大会などでも活躍してきた。日本に良いキーパーが定期的に生まれないのは、偶然の産物のみをキャッチして育成を行う、効率の悪い今の日本サッカーの姿がおもむろに反映されているなと思う。

日本人には日本人にあった、というか “ 日本人だから出来る ”キーパー像が必ずある。

そっちを追求する方が、よっぽど日本から多くのゴールキーパーにチャンスが生まれ、多くのキーパーに競争が生まれるから相乗的に上がっていくと思う。

僕自身も現役時代は身長が大きい選手ではなかったので、アジリティ（足元スキル）やジャンプ力の強化など、190センチあるFWに対してもどうやったら戦えるのかを考えながら取り組んでいた。

選手引退後に、今の仕事で海外に行く様になり、特にスペインのゴールキーパー事情は日本に似ているとこはあるのを感じた。体格や能力が日本人に近いんだよね。

海外では日本みたいに別にでかいキーパーが評価されているのは無い。デカいことで足元に弱点のある選手もたくさんいるので、デカければ良いという評価は一切ない。

男子も女子も小さくても素早くて、タイミングや間合いなどで、高さにも強さが出せる選手は試合にコンスタントにで続けてるし、世界大会でも結果をちゃんと出してる。小回りが効き自由度の高い軽自動車の様な感じ？笑

日本のゴールキーパーに対しての基準やハードルが鬼高いと思うし、それを世界基準という設定にしているのが本当に勿体無いけど、少なからず今日みたスフィーダの選手達は確かに大きい選手では無いが、みんながシュートストップなどの能力が高く、面白かった。

僕が指導していた女子ゴールキーパーが何人か、WEリーグで今活躍してるけど、能力的に彼女らと何ら変わらないパフォーマンスだなと感じた。

引き続き頑張ってほしいし、日本のゴールキーパーは男子も女子も、海外、海外と海外の基準に合わせるんじゃなくてメイドインジャパンのゴールキーパー像を確立しなくてはいけないと改めて感じる機会を今回スフィーダ世田谷さんにいただけたので感謝しています。

ちなみに、明日の皇后杯の相手が日テレ・東京ヴェルディメニーナということで、僕のMASAKI SPORTS ACADEMY OGが２人いるので、試合会場が近場なら観戦に行きたかったなぁ〜。。

試合のスコア、楽しみにしてます！