常識を変える
常識、当たり前を壊すことは極めて難しい。
もちろん、昔から継続して引き継がれている物も多く、大事にしていかなきゃいけないことも沢山ある。
ただ、その常識や当たり前の意識が仇となり殻を破れない事が沢山あります。
先日、JPFAがトライアウト2017を開催。
Jリーグの戦力外選手などが集まり、クラブ関係者の前で約100名がもう一度、戦うフィールドを求めアピールを行いました。
リストを見ると知っている名前や元チームメイトなども参加していました。
中には20代の若い選手も多く、プロの厳しさを物語っているように感じます。
『プロになってからプロの環境に慣れる』のはあまりにも遅すぎる。
今までサッカーだけ一生懸命やって来た選手がやっとの思いで掴んだプロ選手の道。
プロになってからチームでのトレーニング、ファンやスポンサーの対応、お金の使い方、、Jリーグもプロ1年目の選手には研修会を行っています。
何もかもが『新しいこと』に感じる選手も居ると思うし、そこで初めてプロ選手になったんだと実感する選手も多くいるかと思います。
しかし、そこはプロの世界。
Jリーグクラブはなかなか情などを持ってくれません。
チームの戦力にならないのであれば、高卒一年目だろうが関係なく契約を切ります。
むしろ、最近はクラブとしても下部組織から育成をして安い金額でトップチームに上げるなど若い選手を積極的に引き上げるようになってきています。
それは決して悪いことではありません。
海外では自分のクラブで育成して他クラブに売る。その移籍金などを元に環境面を整えたり、新たな人材発掘に資金を使い、また育成して他クラブに売る…この繰り返し。
ただ、裏を返せば日本サッカーではその選手の流れ自体が少なく、また海外クラブの様に大きな金額がクラブ間で動くわけでないので、サッカーしかやってこなかった若造が簡単に天国から地獄へ落ちるシステムがあることが恐怖でしかないです。
あまり書きすぎても敵ばかりを作りそうなのでこの辺で止めておきますが、子ども達に夢を聞いたときに『Jリーガーになること』という選手がよくいます。
日本のトップリーグなのでそこを目指すのは当たり前ですが変な話、ホントに頑張っていて周りの方々に恵まれていたら『Jリーガー』には比較的なれちゃう世界になってきてるかなと思います。
ただ、そこまで。
『Jリーガーとして活躍出来る選手』は極めて少なくなってきています。
だからこそ、ただプロを目指して頑張るのも大事ですが、小さい頃からプロ選手になる事を想定した環境やもちろん、サッカー以外の事もしっかりと昔以上にやっていかなくてはいけない状況になってきているかと思います。
しかし、それは今までの日本での常識が付きまといます。
プロに近づく為には名門ジュニアユース(中学生年代)に所属してるとか地域の代表選手とかに選ばれているなどの所謂、『経歴』が大事とか、安全面を考慮し、同じカテゴリー選手同士の活動を好む日本人の考え方が選手の可能性を遮ってきていると思ってました。
海外ではジュニアユースに所属していなくてもプロ選手になっている選手はかなり多いですし、現に中学校時代の経歴は対して当てにしていません。
やはり大事になるのは高校生年代から。
ここ最近、久保建英が中学生ですがFC東京てプロ契約を交わし、大人相手に一生懸命、戦っています。
彼も今までにそういった常識を変えてきた選手だと思います。
今まで日本人が避けてきた所を変えていける勇気のある大人が増えて、環境を作っていければ、少しでも長く選手として活躍出来る選手を育てると思います。
またセカンドキャリアにもスムーズに移る事が出来る大人としてもしっかりとした『人』を育てると思っています。