メイドインジャパン
さぁ、いよいよ日本代表がコロンビアと試合ですね。
どんなサッカーになるか楽しみです。
いい機会だから長々と話をしようと思う。
JFAのユメセンなど様々な形で日本全国にいる子ども達に「夢」について話している中で、毎回僕の心に問いかけてくるものがある。
それは一部のサッカー指導者が僕のやっていることに対して「金儲け」、「子どもを食い物にしている」、「平川は他スクールの子どもを横取りする泥棒だ」などの噂を回している方がいるという話を過去に聞いたことだ。
子ども達により良いものを提供したい、だからこそ世界をサッカーで行き来出来る環境である僕たちが向こうで見た文化を日本に持ち帰り、これからサッカーで夢見る選手達の手助けになれたらと思ってやっていた事をそう言われた時のショックは正直、計り知れないものがあった。
だから、
間違ったことをやっているのかな?
やめた方がいいのかな?
何度も考えた事もある。
でも、それを支えてくれたのは今の僕のアカデミー(MSA)に所属してくれている選手達。
彼らが笑顔で、そして真剣にピッチで走り回っているのを見ると
「いや、俺がやろうとしていることは間違ってない」と思える。
だからこそ、今のMSA選手を始め、MSAに関わってくださる方々全員がハッピーになれるように今、辛い事、大変な事があっても頑張れています。
今、ワールドカップが開催していて、世界ランキング上位チームがランキング下位チームに引き分ける、負けるといった事が起きています。
メディアは番狂わせやジャイアントキリングなどとだいぶ大きく取り上げていますが、僕はそうは思いません。
僕自身が仕事上、色んな国の育成部を見れるようになってきて、今回のワールドカップでランキング下位チームに共通することが、育成に関わる方々がストイックであり、とても熱く真剣だということ。
今回、ドイツを破ったメキシコで活動をするサッカー指導者に気になっていた事を聞いてみた事がある。
「アカデミー間での生徒の取り合いってあるのか?」
答えは「YES」だった。
しかし、その理由が日本人とは大違いだった。
「選手達は高いレベルでの指導を求めてる。欲深いんだ。だから良い指導者、良いグループがいるアカデミーが他にあったら行ってしまう。でも、それはしょうがないこと。サッカーキャリアは短い。ジュニアユース(中学生年代)、ユース(高校生年代)になってから、良い環境で本気でやる!では、他の意識の高い選手達に置いてかれてしまう。自分の指導の元から他へ移ってしまうのは、自分の指導力や高いレベルでグループを指導者が統率出来ていない証拠。
指導者としてのレベルなんだ。
それが悔しいからまた戻ってきてもらえる様に指導者としての腕を上げるんだよ」
と話してくれた。
選手と一緒で様々な困難や苦しみを超えて指導者も成長をしている。
だからこそ、指導者のレベルが引き上げられ、選手もレベルが上がる。そんなこんなが長年繰り返された結果、大きなくくりでいくと、その国のサッカーレベルが上がっていってるんだと思う。
日本はどんどん世界ランキングは落ちてきています。
このまま行けばどんどん追い抜かされていくでしょう。
ランキングの数字が全てではないが、これは日本のA代表が結果を出さないから落ちてるわけじゃない。
優秀な人材を下の世代から輩出できる、指導者や環境が少ないからJリーグ、A代表が盛り上がらない。
選手が悪いんじゃない。
今ワールドカップで絶対と言われたチームが次々と足を滑らしているのは、遅かれ早かれ大変だっただろう育成の部分で力を入れ始めた段階から今に至るまでに、各国の育成サイクルが回り始めた証拠だと思う。
日本も指導者として自己防御に入るのではなく、起こる事を受け入れて、それをバネに強くなるメンタリティが必要だと思う。
時間はかかるが、三浦知良さん、中田英寿さん、中山雅史さんなどメイドインジャパンの選手を生み出せる力が日本にはまだあるはず。
日本サッカーがイニエスタなど外国スター選手に頼らなくても人気が出るように、自国で育てた選手がステップアップしていける環境を指導者のみなさんに作っていってもらいたい。
子ども達は指導者のお人形さんではないから。
選手達の夢を叶えるために、その道を導いていってくださる指導者が増えてくる事を願っています。