世界
日本時間の深夜から早朝にかけて日本サッカー史に残る熱い試合が行われた。
試合後、そのまま仕事に向かう大人。
学校がある子ども達。
世界に果敢に挑戦した日本代表を観て、間違いなく皆を虜にした。
一瞬だったかもしれないが、ベスト8進出に片足踏み入れた瞬間も見た。
しかし、これがまだ日本が超える事の出来ない世界との壁。
そしてワールドカップ。
やっぱり、世界にはすごい選手が沢山いる。
それはその場を経験したり、そういった相手と真剣に戦って、その相手に向かった者にしかわからない感覚がある。
これは大人も子ども達も一緒。
今回の日本代表選手達は本当にきつかったと思うけど素晴らしい経験を出来たと思う。
なかなか成績が出ない。
ハリルホジッチの解任。
ベテランを集めたおっさんジャパンに日本国民達は日本代表に期待できない発言から、コロンビア戦の激闘。
手のひら返しという、いっときの流行りフレーズが生まれた。
後のポーランド戦。世界のメディアぐるみでポーランド戦の時間稼ぎで再び叩かれるなど、本当に神経擦り切れる状態の中で、あのベルギー戦。
あの試合はぜひ、日本のサッカー少年少女に見てもらいたい。
勝ちたいと気持ちのこもった、選手達が自分の人生をかけた真剣勝負。
まさかの予想もしていなかった2対0でリード。
試合を決定づける3点目を取りにいくのか、ポゼッションを高め、ボールを持つ時間を長くして、上手く時間を使っていくのか、完全に2点リードを守るために全選手が引いてディフェンシブにするのか。
様々な選択肢があるなかで、攻める事を選んだ。
正解はわからない。
あの時、〜を選択しておけば守りきれたかもしれない。
そんなたらればは、置いといて、今の日本代表はスキルや組織はワールドクラスに近づいている。
間違いなく、今回のワールドカップで感じた。
日本のメディアが
「あのハメス・ロドリゲスが‥」
「ブンデス得点王のレバンドフスキーを止めれるのか」
「ルカクのフィジカルを抑えることが出来るのか」
様々な情報が日本には流れてくるが、向こうでは向こうで日本人選手達を脅威とするニュースが多く飛び交っていた。
特に乾、大迫、柴崎、昌子は世界レベルの評価を受けた。
もう、相手が〇〇だから強い。日本は勝てるのか?
そんな騒ぎをする必要はない時代が来たんだと思ってる。
ワールドカップ前に僕もスペインにいた時にスペイン代表が強化試合をやっていたが、その時の新聞、テレビはすごくスペイン代表のポジティブなニュースばかりだった。
「〇〇を止めれるのか?」
「要注意人物は〇〇!」
なんて話すらない。
自分達のサッカーが出来れば、必ず勝てる。
負けるとしたらそれは自分自身。
それぐらいのメンタリティだった。
スペインと日本を比べるなと言われたらおしまいだが、日本もサッカーの先進国の良いものを取り入れて、他国に寄せながらサッカーをしていた時代から、今回のワールドカップで見せてくれた、日本らしいサッカーを勝者のメンタリティーを持って戦う時代が来てるんだと思う。
ベルギーはその点、上回っていた。
2失点目を受けた後の「落ち着け」というアザールの表情やジェスチャー。
2点も自分達のサッカーが出来れば必ず返せる。
アザールが物語っていた。
今大会は大波乱連発のワールドカップ。
そして、今まで絶対的強さを誇ってきたチームがなかなか勝てない。
サッカーの新時代に突入を見た大会。
正に日本代表もそのチームの一つ。
試合の流れを読み、状況を判断して、今行うべきプレーをチームで選択していく。
ここが僕は世界との差であり、『世界の壁』なんだと思う。
しかし、西野ジャパン、面白かった。
なんだか負けた試合なのに清々しいよ。