人はミスをして学び、強くなる生き物
5月4日にニッパツ三ツ沢球技場で行われた、なでしこリーグ1部 第8節 ニッパツ横浜FCシーガルズ戦。
スコアは0対0の引き分けでしたが、お互い攻守の攻防が激しい見ごたえのあるゲームになったかと思います。
まだ観ていない方は、YouTube LIVE からご覧ください。
2024年のシン・スフィーダを掲げ、スフィーダ世田谷がクラブとして進める改革の一つ、「GKの育成」
しかし、シーズン開幕してすぐに長年、スフィーダ世田谷の不動の守護神として君臨していたGK石野の離脱により、予定よりもより早く、若手キーパー陣の急ピッチ育成を余儀なくなった今、クラブとしても割り切って「実戦の中で育てる」と様々なチャレンジを毎週行なっています。
様々なタスクを前向きにこなして取り組んでいる山内選手
僕のSNSにはサポーターやファンの方から山内に関しての有難いお言葉など、沢山お写真と共にいただいています。僕にこんなに来てるってことは、もちろん本人にも送られて来てるのかな?笑
今、若干18歳の山内にとっては非常に大変な時期かと思います。クラブ側からの要求、選手間のコミュニケーションや信頼獲得、自分自身を変える為にやらなければいけない事、、、
本当に多くのタスクを同時進行で行なっている中で、ましてやゴールキーパーという、自分のミスが勝ち負けに直結するポジションで、僕もゴールキーパーコーチとして、良い意味でも、悪い意味でも、若く、まだまだ気持ちも体も出来上がっていない山内が一杯一杯にならない様に色々とケアしながら向き合って取り組んできています。
素直に取り組む姿勢が素晴らしい山内選手
サッカーの男子や女子で16歳、17歳の選手達が活躍をしている世界も僕自身、海外で見てきているので、18歳でと言うのは、その基準で見たらなんら不思議なことでは無い。
しかし、そういった世界トップリーグで活躍する若い選手達をサポートするメンタルコーチがクラブにいたりと、一番若い世代の選手がぶつかる壁はメンタリティの部分。
なかなか日本ではその習慣はプロクラブでもまだまだ少なく、様々なプレッシャーや重圧により、壊れてしまう選手も少なくありません。
海外有名クラブの女子プロサッカーチームの若い選手達
また、この様な場合の選手間コミュニケーション問題というのは世界共通。
サッカーは年齢関係無く、様々な世代の選手が所属し、プロ選手になると皆さん、生活が掛かってサッカーをしている。1試合、1試合の結果が来季の契約に繋がるシビアな世界の中で、ミスが多い選手というのは、なかなかチーム内からの信頼を築くのもなかなか難しい所。
しかも、ゴールキーパーはポジション的に特に厳しいと思います。
そういった面でやはり、ミスを恐れて積極的なチャレンジが出来ない、味方の選手に何か言われるのが怖いからトライ出来ない、、
身体以上に若手選手がぶつかる壁は、精神面で悪い方に転がるとどんどん孤立を感じ、気持ち的にキツくなっていく傾向がある。これは男子も女子も一緒。
観客席へ挨拶を行うスフィーダ世田谷GK陣
若いから良い部分でもあり、若いからこそぶつかる課題もあるということ。山内は性格的にも素直で、みた感じも堂々としているので、誰が見ても変化のわかりやすい選手の反面、ナイーブな部分があり、気持ちが不安定になる場面もあります。
ここはクラブ、スタッフ、チームメイト、サポーターやファンのみんなと支えてあげなくてはいけません。
ポジションや年齢など関係なく、ミスをしたくてミスをする選手はいないかと思います。
社会に出ても同じ。
スポーツも社会も一緒で、会社やクラブを良くしていくためには、内部をみんなで良くしていく必要がある。良くする為には、心を鬼にして厳しい言葉を言わなくてはいけない場面もある。でもみんなで悪者になる必要はない。寄り添う仲間がいたり、励ますスタッフがいたり。その逆も然り。
今のスフィーダ世田谷は、若手選手がある意味「安心してチャレンジが出来る場所」になっている。
人はミスをして学び、強くなる生き物。
わかる人にはわかると思います。
毎週、毎週、GKの山内は、まるで別人になっていく様に変わって行ってます。僕が見ていても、どんどん変わっていくのを感じてる。
若い山内が今、ミスを恐れず、周りの環境も山内が成長する為に見守ってくれているからこそ、どんどん変わっていっているのは確か。
山内自身も今の環境に甘えるわけじゃなく、若くして多くの成功&ミスを沢山体験して、早く一人前のゴールキーパーになってもらいたいですね。
また、今日から試合で出た課題に向けてチャレンジしていきます。