リスク

2018.08.21

こんにちは。

今年のMSAサマーキャンプでは、MSAとして思い切った試みにチャレンジしていました。

僕は日本でよくありがちな、学年で分けるのに昔からすごく違和感を感じてきた。

 

毎年、海外のカンテラでの育成を学ばせてもらったり、国内でも多くの海外クラブアカデミーに携わらせてもらってきて、色々と指導現場を見てきた。

サッカー自体もトップの話で行くと、50歳過ぎのキングカズが18歳の高卒Jリーガーと一緒にプレーだってする。

年齢でサッカーをする訳じゃないし、選手の発育、成長スピードも様々。

 

よく、遅咲き、早咲きなんて言葉もあるけど、早咲きの選手は学年が若くても、吸収力やそのスピード、また身体自体のサイズが早く育つ子もいる。

もちろん、遅咲きはその逆。

そういった子は、学年が上の選手とプレーさせても、平然とプレーしてるし、逆に遅咲きの選手は今、一生懸命頑張っているけど、なかなか思った通りに動けてないなぁ〜って感じる事もある。

それは実年齢と違った身体年齢があるから仕方ないこと。

だからこそ、日本の同じ学年同士で練習をやろう!

的な考えは違うと思ってる。

日本は昔から文化的に考え方自体が保守的な考えだったり、行動に対してすぐに答えや結果が出るものにはすごく興味がある。

 

日本人が「限定」とか「プレミア」などと言った、今だから手に入る的な物を好むのも、この理由の一つ。

 

正に今はプロのスポーツ業界でも起こってるよね。

 

目先の結果を手にしようと莫大な費用を使い、今に一生懸命。

 

今は盛り上がるよ〜!!

そりゃ!流行りものが好きな日本人は。

 

でも、これは長続きはしない。

 

この方法では毎年、積み上がっていくものが少なすぎる。

なぜなら、大事なのは「目先の結果」だから。

だったら、その莫大な資金をもっと別の教育や育成に使用して、数年後に大きな変化を生み出せばいいのにと思ってしまう。

 

ここが世界と日本では考え方が大きく違う。

 

話が逸れたが、指導者の話に戻そう。

よく僕は日本で活躍している指導者の方々にこの様な質問をしてみることがある。

 

中でも多いのは「何で子ども達のトレーニングや活動するチームのカテゴリー分けは学年でやられてるんですか?」という質問に対して、答えが

 

『1番はやっぱり怪我だよね。学年違うと力の差が大きいから』

 

この類の返答が大多数を占めてました。

もちろん、指導者は人様のお子様を預かって、指導をしていかなくてはいけないから、優先順位的にこの部分が高くなるのは充分、理解できる。

 

でも、指導者はその選手を導いていかなくてはいけない。怪我が怖いから〜という、保守的な考えの中にも、この選手を育成する為に指導者としてのリスクを負うシーンも僕は指導者はやらなきゃいけないと思ってる。

その絶妙なラインで、子ども達を動かせるのが、本当の良い指導者。

選手である子どもや保護者からしたら

この監督ならうちの子を使ってくれる、試合に出れる、沢山、褒めてくれるから=「良いコーチ」になってないですか?

 

それは明らかな「目先の結果」

 

子ども達は時間と共に、どんどん成長していきます。

身体も心も、スポーツスキルも。

その時間の中で良い時もあれば、悪い時もある。

その時に起こる事に子ども達がまた向かっていく事で、また身体と心が育つ。

今が全てであり、今が大事なわけではない。

 

しかし、指導者ももちろん人間。

 

保護者や選手に嫌われたくないから、自分の理想とする指導が思いっきりできてない方も多いかと思います。

だから、保守的になってしまう場面が多いんだと思うんですよね。

じゃ、質問です。

小学校の時、家庭科の授業で料理作った際に、包丁って使いませんでしたか?

あんな指を切断する大怪我する可能性があるもの、持った事なんて、、、、

 

多分、有りますよね。笑

 

もちろん、家庭科の先生の管轄下のもとでだったとは思いますが。

指導者も同じだと思ってます。

危ないものだから、持たせない。ではなくて、危ないものとして理解をさせて、その正しい使い方を担当者がしっかり子どもへ伝える事が大事。

サッカーなら指導者の監視下なんだからまず、そこを理解させてまず、やってみればいい。

その中で選手の身体レベル、スキルレベルが分かれてきたらその指導者が個別で子ども達を動かしてグループ分けしていけばいい。

仮に怪我をしてしまったって、その怪我の時期に普段では考えたことが無かった事にも向き合う様になり、またその子を大きく成長させてくれるから。

 

ネガティブに捉えちゃだめだ。

 

子ども達はまだプロ選手じゃない。

 

プロ選手は自分や家族の生活がかかっているから、一つの大怪我は命取りになる。

だから、リスクにすごく敏感。

でも、みんなはプロ選手ではない。

 

沢山、リスクを怖がらずチャレンジしよう。

 

そのチャレンジは成功、不成功が大事ではなくて、チャレンジしたのか?してないのか?が大切。

 

チャレンジした子は目先の結果ではなく、未来につながる何かを必ず得ているから。

 

「あいつ、下手だから一緒にやりたくない」

 

こんな発言をする選手がいるなら、厳しい言い方かも知れ無いが、サッカーよりも個人競技でやっていく事をお勧めするよ。

サッカーは組織。

味方を活かし、味方に活かされて成り立つ競技。

 

チームにあまり上手ではない選手がいたなら、出来る選手が、その選手をサポートすればいい。

サポートにも色々な種類がある。

選手間で助け合う事で、コミュニケーションが生まれ、お互いにサッカーを深く理解できる。

一段とサッカー選手として成長するだろう。

早くから沢山、チャレンジしてる選手はどんどん世界で活躍してる。

頑張ろう!

 

ACADEMY

INSTAGRAM

PROFILE

平川正城(Masaki Hirakawa)

<選手歴>
横浜すみれSC→コミュニティFC→清水商業高校→湘南ベルマーレU-18→湘南ベルマーレ(J2)→ザスパ草津(現J2ザスパクサツ群馬)→Y.S横浜 (★神奈川県国体代表選手)→S.C.相模原 (★神奈川県国体代表選手)→東京23FC (★神奈川県国体代表選手)→YOKOHAMA FIFTY CLUB

<指導歴>
Y.S.C.C.スクール・ユース・コスモスGKコーチ→FCバルセロナキッズキャンプコーチ→キリンビバレッジサッカーフィールドコーチ→SCHサッカースクールコーチ→ファンルーツアカデミーコーチ→Jフロンテッジ&東急レイエスコーチ→横浜すみれSCテクニカルアドバイザー・GKコーチ→ボカ・ジュニアーズジャパンスクールコーチ→SALLERゴールキーパースクール、SALLERストライカースクール(現MSAゴールキーパースクール、MSAサッカースクール)→NIKEエリートトレーニング・NIKE FC ・NIKE MOST WANTEDスカウトマン兼任コーチ→帝京平成大学女子サッカー部ゴールキーパーコーチ

取材に関するお問い合わせ、指導依頼、応援メッセージ等は
こちらのフォームからお願いします